映画の地球 音楽の気流 そして書籍の宇宙

智慧の水球に揺蕩うように生きてきたわが半生。そろそろ御礼奉公の年齢となったようで・・・。玉石混淆、13年の日本不在のあいだに誉れ高きJAPONへの憧憬を募らせた精神生活の火照りあり。

2017-07-01から1ヶ月間の記事一覧

映画の地球 アーティストの評伝映画 1 映画 『ショコラ』 ロシュディ・ゼム監督

映画 『ショコラ』 ロシュディ・ゼム監督 ~キューバ出身の黒人ボードビリアンの生涯 20世紀前半の幾年月、パリの夜を掌中に収めた“褐色のヴィーナス”ジョセフィン・ベーカーの毀誉褒貶に満ちた波乱万丈の物語ならたいていの人はしっている。敗戦直後、日…

映画の地球 キライ編 1 映画『映画と恋とウディ・アレン』 ロバート・B・ウィード監督

映画『映画と恋とウディ・アレン』 ロバート・B・ウィード監督 小生、ウディ・アレンの映画がキライである。何故だか判然としないが相性が合わない。世評の高さ、ヒットしている事実をまず横において虚心になってスクリーンに注目するもキライという感情は拭…

映画の地球 これから公開2 ダグ・リーマン監督 『ザ・ウォール』

ダグ・リーマン監督 『ザ・ウォール』 スナイパー(狙撃手)を主人公とした映画は数多い。その系列に特記したいと思える作品が本作だ。 舞台はイラクの砂漠地帯。建設半ばで戦火のため中断、放置され赤錆びたパイプライン、そして砲撃され崩れ落ち壁だけ残す…

映画の地球 ナチの余燼 1

映画『アイヒマンの後継者』マイケル・アルメレイダ監督 アイヒマン・・・いうまでもなく大戦中、ユダヤ人を強制収容所に送り込んだ元ナチス親衛隊中佐アドルフ・アイヒマン。戦後、南米アルゼンチンに逃亡、イスラエルの諜報機関によって発見、アルゼンチン…

映画の地球 バルカン諸国の映画 1

映画 サラエヴォの銃声 ダニス・タノヴィッチ監督 監督は、デビュー作『ノー・マンズ・ランド』(2001)でボスニア紛争を一方の勢力に組みしない視点で真摯に今日のあるがままの人間の問題として描いた。当時の国際社会は、旧ユーゴスラビアの解体ととも…

映画の地球 これから公開 東欧の映画 1

ポーランド=フランス映画『夜明けの祈り』アンヌ・フォンテーヌ監督 〈神〉への畏敬を失くした民族は唯物論の毒を吐き出しつづける。 第二次世界大戦終結直後のポーランド、ドイツ軍に替わって事実上、ソ連軍の占領下に入った。ポーランド人たちの預かり知…

映画の地球 環境編 1 

水資源の深刻さを反映した007シリーズ『慰めの報酬』 マーク・フォースター監督 007、ジェームズ・ボンドといえばスコットランド(と時勢をかんがみ、そう書いておく)の名優ショーン・コネリーによって英国映画のヒット・シリーズとして定着できた。…