2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧
映画『永遠のジャンゴ』 エチエンヌ・コマール監督 ジャンゴ・ラインハルト、ヒターノ(ジプシー)出身の不世出のギターリスト。筆者には親しい名だが、ほとんどの読者にはなじみがないだろう。日本で流通しているCDも極端に少ないし、筆者が所蔵しているアル…
ドキュメント映画『ニュルンベルク裁判 人民の裁き』 ロマン・カルメン監督 今年、まだ寒い時期だったがNHKで数回に分けたドラマ「東京裁判」(表題失念)があった。裁判に関わった各国の検事たちの人間ドラマで、興味深く視聴した。検事たちが当時、宿泊、…
映画『ポリーナ、私を踊る』 ヴァレリー・ミュラー&アンジュラン・プジョカージュ監督 業界内発言になるような気がするが、あえて本作がバレエ映画として大変良くできている作品だし、多くの人に観てもらいたいので少々、苦言を頭にふっておく。通勤・通学…
映画「ホライズン」 アイリーン・ホーファー監督 生きて伝説となる、という賛辞があるが、それに価するほどの超人的な「人間」はめったにいやしない。 テレビや映画、スポーツ界での抜きん出た才能というのはあるけれど、安易にレジェンド=伝説と冠されると…
二つの注目すべきバレエ映画 来春、相次いで公開 『ロパートキナ 孤高の白鳥』『マイコ ふたたびの白鳥』 2作とも「白鳥」がサブタイトルに飛翔している。しかし、ロパートキナはサン=サーンスの「瀕死の白鳥」、マイコはチャイコフスキー=マリウス・プテ…
映画の地球 バレエと映画 4 『バレエボーイズ』『ボリショイ・バビロン』 華やかに気品をそなえ、激しい跳梁と美しい静止の連鎖に満ちたバレエを映像があますことなく追い表現できる技術が完成して以降、多くの映画が生まれた。そして、この分野の映画はま…
映画『pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』ヴィム・ヴェンダース監督 ヴェンダース監督は同時代のすぐれた創造者に対する畏敬の念が強い。 監督自身も映像を手がかりに20世紀後期から現在進行形で「現在」を鋭敏に批評してきた時代の一大個性である。…
バリシニコフ主演のバレエ映画の秀作『ホワイトナイツ』そして、ヴィソツキーの歌 舞踊を主題にした映画を観る批評の視点はひとつしかない。クラシックであろうがモダンであろうが、フラメンコでも日本舞踊も同じ、インド舞踊もしかり……。描かれる舞踊が借り…
バレエ映画は大きなスクリーンで観たいものだが、仕事だから仕方がない、マスコミ用の試写室で観ることになる。気になれば公開されてから映画館で観ることになるけど、意外とそうまでして再見したいと思うバレエ映画は少ない。結論からいえば、本作『ブラッ…
プーチン大統領下のロシア映画 6 『デイ・ウォッチ』(2006・ティムール・ハベンスキー監督) 監督は、その名から知れるように中央アジア、現在は域内大国として経済発展しつづけるカザフスタン出身のフィルムワーカー。ティムールとはウズベキスタンの民…