映画の地球 音楽の気流 そして書籍の宇宙

智慧の水球に揺蕩うように生きてきたわが半生。そろそろ御礼奉公の年齢となったようで・・・。玉石混淆、13年の日本不在のあいだに誉れ高きJAPONへの憧憬を募らせた精神生活の火照りあり。

2017-10-01から1ヶ月間の記事一覧

映画の地球 これから公開 『永遠のジャンゴ』 エチェンヌ・コマール監督

映画『永遠のジャンゴ』 エチエンヌ・コマール監督 ジャンゴ・ラインハルト、ヒターノ(ジプシー)出身の不世出のギターリスト。筆者には親しい名だが、ほとんどの読者にはなじみがないだろう。日本で流通しているCDも極端に少ないし、筆者が所蔵しているアル…

映画の地球 ドキュメント映画『ニュルンベルク裁判 人民の裁き』 ロマン・カルメン監督

ドキュメント映画『ニュルンベルク裁判 人民の裁き』 ロマン・カルメン監督 今年、まだ寒い時期だったがNHKで数回に分けたドラマ「東京裁判」(表題失念)があった。裁判に関わった各国の検事たちの人間ドラマで、興味深く視聴した。検事たちが当時、宿泊、…

映画の地球 バレエと映画 7 これから公開 『ポリーナ、私を踊る』

映画『ポリーナ、私を踊る』 ヴァレリー・ミュラー&アンジュラン・プジョカージュ監督 業界内発言になるような気がするが、あえて本作がバレエ映画として大変良くできている作品だし、多くの人に観てもらいたいので少々、苦言を頭にふっておく。通勤・通学…

映画の地球 バレエと映画 6 映画「ホライズン」  アイリーン・ホーファー監督

映画「ホライズン」 アイリーン・ホーファー監督 生きて伝説となる、という賛辞があるが、それに価するほどの超人的な「人間」はめったにいやしない。 テレビや映画、スポーツ界での抜きん出た才能というのはあるけれど、安易にレジェンド=伝説と冠されると…

映画の地球 バレエと映画 5 『マイコ ふたたびの白鳥』 『ロパートキナ 孤高の白鳥』

二つの注目すべきバレエ映画 来春、相次いで公開 『ロパートキナ 孤高の白鳥』『マイコ ふたたびの白鳥』 2作とも「白鳥」がサブタイトルに飛翔している。しかし、ロパートキナはサン=サーンスの「瀕死の白鳥」、マイコはチャイコフスキー=マリウス・プテ…

映画の地球 バレエと映画 4 『バレエボーイズ』『ボリショイ・バビロン』

映画の地球 バレエと映画 4 『バレエボーイズ』『ボリショイ・バビロン』 華やかに気品をそなえ、激しい跳梁と美しい静止の連鎖に満ちたバレエを映像があますことなく追い表現できる技術が完成して以降、多くの映画が生まれた。そして、この分野の映画はま…

映画の地球 バレエと映画 3 映画『pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』ヴィム・ヴェンダース監督

映画『pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』ヴィム・ヴェンダース監督 ヴェンダース監督は同時代のすぐれた創造者に対する畏敬の念が強い。 監督自身も映像を手がかりに20世紀後期から現在進行形で「現在」を鋭敏に批評してきた時代の一大個性である。…

映画の地球 バレエと映画 2 バリシニコフ主演のバレエ映画『ホワイトナイツ』

バリシニコフ主演のバレエ映画の秀作『ホワイトナイツ』そして、ヴィソツキーの歌 舞踊を主題にした映画を観る批評の視点はひとつしかない。クラシックであろうがモダンであろうが、フラメンコでも日本舞踊も同じ、インド舞踊もしかり……。描かれる舞踊が借り…

映画の地球 バレエと映画 1  ナタリー・ポートマン主演映画『ブラック・スワン』と歴代のバレエ映画

バレエ映画は大きなスクリーンで観たいものだが、仕事だから仕方がない、マスコミ用の試写室で観ることになる。気になれば公開されてから映画館で観ることになるけど、意外とそうまでして再見したいと思うバレエ映画は少ない。結論からいえば、本作『ブラッ…

映画の地球 プーチン大統領下のロシア映画 6 『デイ・ウォッチ』(2006・ティムール・ハベンスキー監督)

プーチン大統領下のロシア映画 6 『デイ・ウォッチ』(2006・ティムール・ハベンスキー監督) 監督は、その名から知れるように中央アジア、現在は域内大国として経済発展しつづけるカザフスタン出身のフィルムワーカー。ティムールとはウズベキスタンの民…