映画の地球 音楽の気流 そして書籍の宇宙

智慧の水球に揺蕩うように生きてきたわが半生。そろそろ御礼奉公の年齢となったようで・・・。玉石混淆、13年の日本不在のあいだに誉れ高きJAPONへの憧憬を募らせた精神生活の火照りあり。

地球の映画

映画の地球 プーチン大統領下のロシア映画 6 『デイ・ウォッチ』(2006・ティムール・ハベンスキー監督)

プーチン大統領下のロシア映画 6 『デイ・ウォッチ』(2006・ティムール・ハベンスキー監督) 監督は、その名から知れるように中央アジア、現在は域内大国として経済発展しつづけるカザフスタン出身のフィルムワーカー。ティムールとはウズベキスタンの民…

これから公開 映画『ネルーダ 大いなる愛の逃亡者』 パブロ・ラライン監督 かつて、イタリアで亡命の日々を送っていた詩人パブロ・ネルーダと郵便配達青年のささやかな友情を描いた『イル・ポスティーノ』(1994)という佳作があった。それは素直にネルーダへ…

映画の地球 朝鮮戦争を描く 1 イ・ジェハン監督『戦火の中へ』学徒兵たちの身を張った籠城戦

朝鮮戦争を描く 1 イ・ジェハン監督『戦火の中へ』 学徒兵たちの身を張った籠城戦 朝鮮半島の全域がほぼ戦場となった朝鮮戦争を描いた映画は、国連軍の中核であった米国軍兵士の視点から撮られたハリウッド作品からはじまり、やがて韓国、北朝鮮で制作され…

映画の地球 非愛国的な米国映画『バトル・オブ・ノルマンディー』 ティノ・ストラックマン監督

映画の地球 非愛国的な米国映画『バトル・オブ・ノルマンディー』 ティノ・ストラックマン監督 表題のごとく米国を主力とする連合軍が敵前上陸を慣行したノルマンディ上陸作戦を主題とした映画。が、上陸に応戦するドイツ軍一大尉の視線から撮られたものだ。…

映画の地球  Antifaとウェーザマン、米国の混迷のなかで 映画『ランナウェイ』 ロバート・レッドフォード監督

映画『ランナウェイ』ロバート・レッドフォード監督・主演・製作 トランプ米大統領が有力候補として共和党の予備選を勝ち抜いていた時期かた極右派のあらたな台頭があった。それは旧来の白人至上主義を標ぼうする勢力を表舞台に引き出すかたちで急速に勢力を…

これから公開  映画の地球 『ル・コルビュジェとアイリーン ~追憶のヴィラ』メアリー・マクガキアン監督

『ル・コルビュジェとアイリーン ~追憶のヴィラ』メアリー・マクガキアン監督 ル・コルビュジェにしてもアイリーンしても劇映画のなかで描かれるのをみるのはじめてだ。その意味では映像化を試みたスタッフ、キャッストに敬意を表したいし、20世紀を代表…

映画の地球 核戦争と映画 3 映画「トランボ」 ジェイ・ローチ監督

映画「トランボ」 ジェイ・ローチ監督 *「核戦争と映画」のカテゴリーに入れるのは少々、無理があるが、冷戦初期の゛熱戦”下における「赤狩り」時代を描いた象徴的なポリテック主題映画として、ここで語っておきたい。 * * * 筆者にとってトランボことダ…

映画の地球 アフリカを描く 3 *シエラレオネ『ブラッド・ダイヤモンド』エドワード・ズウィック監督

2006年、レオナルド・ディカプリオは、本作でアフリカの貧しい白人入植農民の息子、長じて傭兵崩れのダイヤモンド密売人となったアーチャーを演じてオスカーの主演男優賞の候補になっている。 主題は、先進国の宝飾メーカーがアフリカの小国の紛争を利用…